2024.11.28

胡蝶蘭の基本的な育て方

胡蝶蘭は、熱帯のジャングルの高い木に着生して生育します。原産地の環境に近づけることがポイントです。
そのため、日当たりの良い風通しの良い場所を選ぶようにしましょう。

また、直射日光に当たると葉っぱが焼けて枯れてしまうので、窓際に置く際はレースのカーテン越しに日光を充分にあてましょう。
屋外は気候に左右されますのでお勧めしておりませんが、置く場合は冬の寒い時期を避け、木陰や遮光ネットで日差しを避ける様にしてください。

置き場所・光について

胡蝶蘭は、熱帯のジャングルの高い木に着生して生育します。原産地の環境に近づけることがポイントです。
そのため、日当たりの良い風通しの良い場所を選ぶようにしましょう。

また、直射日光に当たると葉っぱが焼けて枯れてしまうので、窓際に置く際はレースのカーテン越しに日光を充分にあてましょう。
屋外は気候に左右されますのでお勧めしておりませんが、置く場合は冬の寒い時期を避け、木陰や遮光ネットで日差しを避ける様にしてください。

温度・湿度について

胡蝶蘭を育てるのに適した温度は、夜間は18℃位、日中は25℃位がベストです。可能な限り20℃前後に保つことが理想です。
温度が上がり過ぎてもお花が早くしおれる原因となります。温度が下がり過ぎても枯れる原因となりますので空調の温度管理は重要なポイントとなります。
原産地は高温多湿な環境ですので、直接胡蝶蘭に冷暖房が当たりますと乾燥によりお花が痛むのでご注意ください。胡蝶蘭の育て方通りにしなくちゃ!とあまり気にしすぎないで、気軽に楽しみながらお手入れをするのが一番のポイントです!

  • 温度は18°C~25°C前後保つようにしましょう。
  • あまりこだわりすぎずに気軽に楽しみながらお手入れしましょう。
  • 直射日光
  • エアコンや扇風機の風
  • 果物の近く(エチレンガスが花を萎れさせます)

水のあげ方

手順

  1. 株元を見てください。
    写真は3本立ちなので、3つの株(ポット)が植わっていることを確認します。
  2. バークか水苔か確認します。
    下記の写真を参考にしてください。
  3. 株の根元にコップ1杯のお水を上げます。
    (3株あったら×3回)
  4. 水切りをする
    鉢底から水が出るようであれば、しっかり水切りをしましょう。受け皿の水はそのままにせず捨ててください。

バーク

バークが白っぽくなったら水を上げて下さい。
目安:5日に1回程度

左:濡れているとき
右:乾いているとき

水苔

ポットに指を入れて湿り気がなかったら水を上げてください。
目安:季節や温度にもよりますが1週間~10日に1度

左:濡れているとき
右:乾いているとき

水あげは朝に!また水のあげ過ぎに注意!

胡蝶蘭を枯らしてしまう方のほとんどの原因は水のあげ過ぎによる根腐れです。(写真のような状態です。)

水のあげ過ぎや、受け皿に水が溜まったままの状態ですと根腐れの原因となりますのでご注意ください。

また午後になってからですと、日に当たる時間が減ってしまい水が乾かなくなってしまいますので、お忙しくて水やりが午後になるようでしたら、翌日の朝に水やりすることをおすすめします。

長く楽しむポイント

胡蝶蘭を長く楽しむためには、特に室内で育てる際にいくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。

  • 1ラッピングをはずす

    贈答用としてラッピングされた胡蝶蘭は、そのまま飾っておきたい気持ちもありますが、ラッピングを長時間付けたままにすると通気が悪くなり、根が蒸れたり病気の原因となることがあります。特に鉢の周囲を覆っている部分を取り外し、風通しの良い状態に保つことが大切です。通気性が確保されることで、根が健康に保たれ、胡蝶蘭が長持ちします。

  • 2動かさない

    胡蝶蘭は環境の変化に敏感な植物です。一度置き場所を決めたら、あまり頻繁に動かさないようにすることが重要です。日照条件や温度の変化に弱いため、急な環境変化がストレスとなり、花が落ちたり成長が止まることがあります。安定した環境を提供することで、胡蝶蘭は長く花を楽しめる状態を維持できます。

  • 3面倒を見すぎない

    胡蝶蘭は比較的手のかからない植物であり、過度に世話を焼くと逆効果になることがあります。特に水やりのしすぎは根腐れの原因になりますので、控えめな水やりが基本です。また、葉を頻繁に拭いたり、鉢を頻繁に移動させるのもストレスになるため、必要なケアを過度に行わないことが大切です。シンプルな世話で自然な成長を見守りましょう。

  • 4肥料はいらない

    胡蝶蘭は通常、開花期間中に肥料を必要としません。特に贈答用として購入された胡蝶蘭は、既に栄養が十分に蓄えられている状態です。そのため、肥料を追加で与えると肥料焼けや根を痛める原因となることが多くあります。開花が終わり、成長期に入った際には適量の肥料を与えることが効果的ですが、開花中は肥料は必要ありません。

  • 5切り花の湯上げ

    胡蝶蘭の花が落ちた後、切り花として楽しむ場合は「湯上げ」を行うと花が長持ちします。1度元気がなくなってしまった胡蝶蘭の切り口5センチほどを1度沸騰したお湯に一晩つけたままにしてみてください。翌朝には水がしっかり上がっているはずです。熱湯で壊死してしまった部分は切り落とし、再び花瓶に飾り楽しんでください。湯上げをすることで、切り花でも長い期間、胡蝶蘭の美しさを楽しむことができます。
    これらのポイントを守ることで、胡蝶蘭をより長く美しく保ち、その魅力を最大限に楽しむことができます。

とにかく置き場所に注意

お祝い花の代表格、胡蝶蘭。そんな胡蝶蘭を贈られた人たちの想いはどの方も一緒。「みんなに見て欲しい」というものです。もしかしたら、贈った相手も見に来るかもしれません。開店祝いならなおさら、来店されるお客様にも幸せのおすそ分けをしたいものです。

そうした場合、胡蝶蘭は、大体「受付」や「エントランス」さらには、お店の「外」など一番目立つ場所に置かれがちですよね。ただ、胡蝶蘭を長く持たせたい場合は、命とりになってしまう可能性が極めて高いのです。

胡蝶蘭の生育に必要なのは「光」と「風」と「水」。そこでまず何より、光が入らない、暗い場所は好みません。やはり少し日差しが降り注ぐ「窓際」に置き場所を確保したいものです。ただ、直射日光だと葉が焼けてしまうので、レースのカーテンの下あたりが良いでしょう。

開店のときはとりあえず目立つ場所に置き、しばらく落ち着いたら窓際に飾る方法をとったほうがほうがいいかもしれません。より花が楽しめるでしょう。

温度管理– 人間が快適に過ごせる温度なら胡蝶蘭も大丈夫

先ほど中ではなく外に出してしまうケースもご紹介しました。ただ胡蝶蘭にとって、夏は暑すぎるのでダメ、冬も寒すぎるのでダメ。温度にも気を付けてあげてください。夜に届いて外に置いておいたら、翌朝しおれてしまったという話もお聞きします。

胡蝶蘭の原産は東南アジア。ですので、もともとある程度温かさには強いのですが、やはり近年の日本の夏の昼間は胡蝶蘭にとっても耐え切れないようです。もし一度外に置いたとしても、その後は中に入れてあげてください。

また、夏、直接冷房が当たったり、冬は暖房の風が当たったりするような場所も要注意。

クーラーの下で、もろに風が当たっているような胡蝶蘭はあっという間に枯れてしまうのです。

これらを通じてわかることは、高貴なイメージのある胡蝶蘭も、我々と同じ生き物であるということです。さらに言えることは、人間が快適に思える環境であれば胡蝶蘭も長持ちするということ。人間も、直射日光が当たる場所は避けたいですし、クーラーの真下はイヤなもの。外のアスファルトの照り返しや、冬の寒い路上も苦手です。ですので、胡蝶蘭にとって一番良い置き場所を考えるときは、ご自身に置き換え、「自分がずっとここにいろって言われたらイヤだな」と思う場所は回避すると良いかもしれません。

過度の水やりは逆効果– 1週間に1度でいいんです

胡蝶蘭の手入れの際、逆にあまり心配しなくても良いことがあります。それが「水やり」。ここまで繊細なケアが求められる一面をご紹介してきましたが、「水やり」に関しては意外と気をかけなくてもいいのです。一般的に奨励されている水やりの頻度は1週間に1度から10日程度と言われています。

胡蝶蘭の生育に際し、原産の東南アジアで見られる風景は、いろいろな木から生えているというもの。胡蝶蘭はもともと、木に着生(ちゃくせい)して花を咲かせる植物なのです。そこで水も、湿った木の皮や、空気中の水分から得ています。つまり胡蝶蘭にとっては、たまに湿っているぐらいがちょうど良い環境で、常に濡れているとかえって元気がなくなってしまうのです。

実は当園では、出荷する前に胡蝶蘭に水をあげています。つまり、贈られた方が水やりをするのは、届いた1週間から10日後で良いということになります。コップ1杯の水を1株ずつにかけてあげるのが良いでしょう。

ただ気をつけなければならないのが、鉢全体にラッピングがしてあるもの。鉢底には水抜け穴があるのですが、ラッピングには抜ける穴がないため、そのままの状態で水をあげていくと、下にどんどんたまっていってしまうのです。そこで、できれば届いたらラッピング用紙を取っていただくか、ラッピング用紙の一番下を十字に切って、水が抜けるようにしていただくのが良いでしょう。この際、受け皿を置くこともお忘れなく。

肥料は花が咲いているときは不要– サプリメント的な役割です

我々のもとには「胡蝶蘭をもらったあと、肥料はどうしたらいいの?」といったお問い合わせも多くいただきます。ただ実は肥料は、基本的には花が咲いているときには不要なのです。ではどうして肥料があるのでしょう? そう聞かれたとき、大体我々はこう答えています。「人間でいったらサプリメントです」と。上記述べてきた、光、水、温度、風といった最低限のお手入れをしておけば、肥料を与えなくても大丈夫。

ではいつ、肥料が必要になるのか。その前にお伝えしたいのが、胡蝶蘭はもらったあと、何度も花を咲かせることができるというもの。そう、一度きりではないんです。それを踏まえたうえでご説明したいのが、花が散って苗だけになったとき、再び体力を取り戻してあげるときに肥料をあげると良いのです。

蘭用の肥料はホームセンターや園芸店に売っています。パッケージの記載通りにやっていただければ十分でしょう。

2度咲きの極意– ギフトだった胡蝶蘭を、いつまでも咲かせるために

先ほどちらっと、胡蝶蘭は何度も咲かせることができるとお伝えいたしました。つまり、2度咲き、3度咲き、さらには四度咲きも夢ではないのです。胡蝶蘭を、もらった後もずっと、その空間を彩り、楽しむことができるというわけです。

ではまず「二度咲き」の方法を簡単にご説明いたします。一番最後まで咲ききらせると、上から花びらが徐々に散って落ちていきます。二度咲きの準備をするためには、すべての花びらが散ってしまったあとでも構いませんが、それぞれの株に1輪、2輪花びらが残っている状態でも始めることができます。

胡蝶蘭の茎には、人の指の関節のように、「節」というものが数センチごとに存在しています。これを下から4つめくらいの節を残して上を切り落としておくと、その節からまた新しい芽がもう一度出て来るのです。そこから花を再び咲かせることを「2度咲き」というのです。

ただ一度咲かせていることもあり、株自体はやはり多少疲れています。そのときに肥料を与えて再び元気にしてあげるのです。2度咲きするまで半年以上前にかかりますが、その後も株さえ元気であれば何回でも咲くことができます。

もちろんお手入れも先に述べた通りに続けていただければと思いますが、いずれにしても手をかけた分だけ、再び咲いたときの喜びはひとしおでしょう。

さらに、ギフトとしていただいた胡蝶蘭を、その後も咲かせ続けることができれば、贈り主にとってもこんなにうれしいことはありません。

昇進、開店、当選……。また新たな自分に生まれ変わるときにいただく、もう1つの“誕生花”ともいえる胡蝶蘭。そんなプレゼントを、その後もずっと育ててみてはいかがでしょうか。そうすれば、ふと迷ったり悩んだときでも、その胡蝶蘭を見れば、贈られたときの自分に立ち返り、初心に戻れることでしょう。胡蝶蘭は、人生の輝いた一瞬だけではなく、あなたの人生に寄り添うことができる花なのです。

ご紹介した商品について

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黒臼洋蘭園は胡蝶蘭の生産・出荷だけでなく、胡蝶蘭を販売するための実店舗・オンラインショップもございます。

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園主紹介

有限会社黒臼洋蘭園
代表取締役社長 黒臼秀之

胡蝶蘭一筋39年以上。
胡蝶蘭生産者として、多数のメディアへ出演し胡蝶蘭の素晴らしさを発信しています。
また、黒臼洋蘭園の胡蝶蘭は農林水産大臣賞をはじめとする多数の表彰を受けており、お祝いギフトとしてご好評いただいております。
胡蝶蘭文化を多くの方に知ってもらいたいと、TV・WEB・SNSなどを積極的に活用し、胡蝶蘭の栽培方法等を発信しています。

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